私事ですが、7月末日をもって退職いたしましたので、ここにご報告いたします。
先ほど送別会から帰宅いたしました。
あんた誰?
「株式会社○○を退職しました」という記事を見る度に思うこと
しがない WEB†DB エンジニアです。
(技評さんとは何の関係もありませんし、記事を書いたこともありません。毎号読んではいます)
やめた会社
Web システム開発受託やホスティングをやっている従業員数3〜5人くらいの小さい会社です。
私が大学4年の3月に就活を始めて、なんとか内定をもらった2つの会社のうちの1つでした。
学んだこと
Perl とか Java を使って WEB システムを作るにあたっての一通りの事は学べたと思います。(まだまだ至らぬ所が多いですが)
中でも SQL の扱いなどは割と慣れたもんで、生でゴリゴリ書いたり、ORM に書かせたり(書いてもらうのではなく)はつつがなく出来る感じになりました。
技術的な事の他にも、提案から保守まで一貫して引き受けるスタイルの仕事でしたので、お客さんとの折衝も含めて幅広く学べたと思います。
困っていたこと
他の従業員が出社したりしなかったり、暗くなってから出社してくるのがキツかったです。
「プログラマは時間に縛られない(キリッ」と言われても、お客さんとのやり取りも我々の仕事なのですよ?
結局、お客さんの稼働時間帯との兼ね合いで、問い合わせ対応や各種事務などの作業は私1人に集中しがちになっていました。
また、横の繋がりが希薄になり、各プロジェクトの属人化が進んでいました。これは問い合わせ対応時に相当な負担となっていました。
零細における受託開発の限界
今のままのビジネスモデルで会社や社員が富やパワーを蓄えることが出来るのか、疑問に思っていました。
受託開発で利益を増やしたかったら、大雑把に言って人月単価を上げるか稼働率を上げるかしかないと思います。単価を上げると言っても、人月単価の相場(60万〜120万/人/月くらいですかね)ってのがあるみたいで、それを逸脱すると結構強く突っ込まれたりしますので、額面を上げていくのは難しいと思います。
では稼働率はどうかというと、すべての従業員が毎月1人月ずつ消化する状態は保てていましたので、稼働率をこれ以上に上げるということは、稼働率を120%、150%、200%としていく事に他なりません。ところが、小さい会社ですので、”本当の”受注情報をみんなが知っています。例えば「納期」「受注額」「人月数」などです。それらを知っていると、仕事のクオリティが、そこに合っていきます。もっと短期間で出来るはずの事が「本当の納期」に引きずられて「見積もり通りの人月」に収まったり、酷いときには納期に遅れたりします。「この仕事、とっくに終わってるけど、提出期限までまだまだ期間があるから出さんとこ」みたいな事も横行します。
早くできるものを早くやる事による圧縮は相対的に単価を上げることになるんですが、エンジニアに見返りが無ければ全体に還元されないようです。「レバレッジを効かせてみんなで豊かになろう」ってコンセプトを経営層も含めて共有できない限り、人月が見えちゃってるエンジニアの生産性は上がりにくいのかなと思います。(単にうちの意識が低いだけだったのかもしれませんが)
なぜやめたのか
受託開発には、お客さんの求めるサービスを見出し、それを形にしたモノがお客さんの求めるモノであったときに感じられる喜びがあります。ただ、やはりどこか他人事な感じが常につきまとい「契約内容さえ満たせてればおっけーだし」と思ってしまう癖がついていました。そういう自分を客観的に見て、このままでは誰も幸せにならないという想いを抱いていました。それが今回の辞職の原動力となっています。
どこかで「自社サービスのエンジニアは24時間365日、自社サービスについて考えている」というようなことを聞きました。これを聞いてからずっと頭の中でリフレインしており、意識していました。そして、もし転職するなら自社サービスをやっている会社のエンジニアになろうと決意していました。
あと、仕事で思う存分 Ruby を使いたかったんですが、既存の案件を急に Ruby にするわけにもいかず、悶々としていました。
次の職場
とある広告代理店に就職しました。
この会社はB2Bの自社サービスを運営しており、今までは開発運用は外注していました。
そこへ内製への舵取りをしたらどうかと提案したところ実現し、そこに生まれたポストに私が収まった形です。
今までにエンジニアを雇ったことが全く無い会社だったので、エンジニアのポストを作るところから交渉して内定をもらいました。
これからの仕事
当面はサービス周りの色々な事象を見える化したり、自動化したりする作業が続くと思います。
Ruby を使う事ができる場面がかなり増えそうなので、非常に楽しみです。
24時間365日、このサービスの事を考え、手を動かし、価値を創造していきます。
まとめ
エンジニアの居ない場所に行ってポストを作れさえすれば、割と無双できます。
そこで、井の中の蛙になって腐らない限り、みんな幸せになれそうです。
今『Team Geek』を読んでいますが、この状況に役立つ事が色々書いてあるげです。さらに熟読しようと思います。